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今後の研究計画

研究ユニットの展開

憲法学者・法哲学者の共同作業によって分析を進めます。
従来「憲法の基礎理論」と呼ばれてきた問題について、現在の発展したメタ倫理学・メタ規範理論の成果を踏まえて体系的に追求するために、サブテーマごとに研究ユニットを構成して個別研究を進めます。

全体研究会の開催

メンバー全員による全体研究会を年数回開催します。
外部からのゲスト講師招聘を含め、ユニットごとの研究成果を共有して検討を進めます。平成31年度(2019年度)には研究合宿により集中的な討議を進める予定です。

海外を含めたアウトリーチ

ウェブサイトに加え、国際学会での報告を通じて研究成果を展開します。
このサイトを通じて研究成果を公開するほか、法哲学社会哲学国際学会連合(IVR)世界大会・国際憲法学会世界大会での報告を通じて成果を国際的に検証することをめざします。

 

研究ユニットの構成

憲法制定権力論と憲法改正限界論

欧州統合下での各構成国家の主権や憲法制定権力をめぐる言説が大きな政治的影響力を持つに至っていることを踏まえ、憲法制定権力論についての消去主義的態度や憲法改正無限界説などを検証します。

 

憲法の最高規範性

憲法が現実に一般の実定法により優越され排除されているかに見える事態の展開を踏まえ、「憲法が最高法規である(べきである)」という主張がどのような意味を持つかを分析します。

 

規範的排除的法実証主義

憲法は道徳に関する判断を伴うことなく同定可能であるべきだ」とし、司法権力が自らの「道徳的判断」によって民主的立法を覆す違憲立法審査に対して批判的な態度を取る規範的排除的法実証主義について、憲法判断が没価値的になされうるのかどうかを含めて検討します。

  

憲法学の方法的立場

宮沢俊義をはじめとして少なからぬ憲法学者に、メタ倫理学上の相対主義と自然権的権利論との結びつきが見られます。その評価を含め、憲法学の方法論に関わる問題を検討します。

  

憲法と時間

ある一時点の決定で定立される一方でその後の長い時間を拘束するという性格を持つ憲法が、時々の実情に応じた行動を取ろうとする政治権力を掣肘することの意義と問題を扱います。

   

ネイションと結社

憲法が前提として想定する「国民nation」が非自発的結社として分析しうるか否かを、ネイション論や結社の自由論などから検討します。